詰め物や被せ物が合っていなかったり、虫歯ができていたりすると、お口がニオうことがあります。しかしもっとも多い口臭の原因は、歯周病。また、意外と多い原因に、舌の表面についた細菌のかたまり(舌苔=ぜったい)があります。
口臭が気になる方は、朝起きたときに舌苔を取りましょう。最近では舌専用のブラシがかんたんに手に入るので、ぜひ使って汚れをかき出してみてください。歯みがき粉は使わず、数回こすって流水でブラシを洗うと意外に汚れがとれていることにきっと驚かれるはずです。
それでも口臭が気になる場合は歯周病の疑いがあります。ご相談ください。
歯周病の進行段階は、大きく4つに分けられます。重度になると歯を失うこともあるこわい病気なので、早めに受診しましょう。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
歯周病の進行段階 | 段階ごとの状態 |
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その1 歯肉炎 | 歯肉溝という歯と歯ぐきの間のみぞに歯垢がたまり、歯肉が炎症を起こすことで、歯肉ポケットになります。 |
その2 軽度歯周炎 | 歯周病菌が歯周組織に入りこみ、炎症を起こして歯肉が腫れます。歯槽骨(歯を支えるあごの骨)や歯根膜(歯の根と歯槽骨をつなぐ組織)が破壊されはじめ、歯と歯ぐきの間のみぞが深くなって、歯周ポケットになります。 |
その3 中程度歯周炎 | 炎症がひどくなり、歯槽骨の破壊がすすみます。歯がぐらつき、歯周ポケットもより深くなります。 |
その4 重度歯周炎 | 歯槽骨が大きく破壊され、歯が抜ける場合もあります。 |
歯周病は生活習慣病の一種ともいわれます。そのため予防には、日ごろの心がけが大切。次のようなちょっとした習慣で、予防効果が期待できます。
1. よく噛む
食べ物をよく噛むと、あごが強くなり、だ液の分泌が促されます。唾液には虫歯や歯周病の予防効果があるので、できればひと口あたり30回は噛みましょう。
2. 砂糖をとりすぎない
虫歯菌や歯周病菌は、糖分をとりこんで歯を溶かす酸を出し、繁殖します。とりすぎないことと、だらだらと食べないよう時間を区切ること、歯みがきで食べかすや歯垢をしっかりと取りのぞくことが大切です。
3. ストレスや疲れを解消
ストレスや疲れは歯ぐきを弱らせ、細菌への抵抗力を奪います。ストレス発散と、疲れをためない規則正しい生活が歯周病を予防します。
4. 定期検診やクリーニングを受ける
虫歯も歯周病も、進行すると歯を失うこわい病気なので、早期発見・早期治療が大切。3か月から半年ごとに定期検診を受け、プロによるクリーニングを受けましょう。
どんなにしっかりみがいているつもりでも、自宅でのケアには限界があります。歯と歯のすき間や、歯と歯ぐきの間の汚れには歯ブラシが届きにくく、かんたんには落ちません。また、細菌のかたまりであるバイオフィルムは、歯みがきでは落としきれないことがわかっています。
これらの汚れを、プロが専門の機械を使って取り除く処置がPMTCです。柔らかい器具を使うので、痛みはありません。歯垢や歯石だけでなく、紅茶やタバコによる着色汚れも落とせ、矯正治療中の予防にもおすすめ。3~4か月ごとに受けることで、効果的に歯周病や虫歯が予防できます。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
PMTCの流れ | |||
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1. 歯間の汚れ除去 まず専用のチップで、歯と歯の間の汚れを取ります。 |
2. 全体の汚れ除去 柔らかいカップ型の機械で、全体の汚れを落とします。 |
3. 洗浄 洗浄液で全体を洗い流します。 |
4. 完了 汚れが落ち、清潔な状態。新たな汚れもつきにくくなります。 |